「 20 年目のロックンロール」永ちゃんがサイコーだった話【銀座の寿司屋の物語 その 2 】
どもども、ぶうすけです。
確か 1992 年だったと思います。
僕が 17 歳になった年にモックン先輩は僕をコンサートへ連れて行ってくれました。
僕は当時、音楽には疎くてコンサートに行ったことがありませんでした。
僕が人生で初めて行くことになったコンサートは、モックン先輩が大好きな「矢沢永吉」さんのコンサートでした。
本記事は「Anytime Woman EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 1992」の 7 月の武道館で行われたコンサートに僕が行った時の話です。
僕はたった 1 日で矢沢永吉さんのファンになってしまいました。
あなたにも矢沢永吉さんの素晴らしさが伝われば、サイコーと思って書きました。
モックン先輩との馴れ初めについては「銀座の寿司屋の物語 その 1」に書いてあります。
まずは「成りあがり」を渡される
僕の働いていた「寿司割烹あられ」は交代制のシフト勤務でしたので、モックン先輩と僕の休みが重なることは多くはありませんでした。
僕が休みでモックン先輩が出勤の日に僕は一冊の本を渡されました。
「ぶうちゃん、コレ読んでおいてよ。楽しいから」
そう言ってモックン先輩は矢沢永吉さんの「成りあがり」を僕に預けて出かけました。
その本には矢沢永吉さんの生い立ちとこれまでの葛藤の物語が書かれていました。
読後の感想は、ずばり「この人、格好いいな」でした。
僕も 10 代で家を飛び出したという状況だけは一緒でしたので、この人みたいに生きられたらいいなあという憧れの感情がありました。
モックン先輩が帰ってきたので「いいですね。好きです、この人」と僕は伝えました。
モックン先輩は「じゃあ、コンサート一緒にイクベ」と福島なまりで言いました。
販売曲を全て聞かされる
翌日には、モックン先輩から、CD アルバムを何枚も渡されました。
カセットテープも何本もありました。
全て「 E . YAZAWA(矢沢永吉)」です。
朝起きてから寝るまでの間、毎日永ちゃんの曲を聴きました。
勤務の日も休みの日も。
英語のリスニングだってこんなに聞いたことないです。
そんな短期集中 1 ヶ月特訓が終わる頃、夏を迎えました。
コンサート当日、武道館の外でビビらされる
武道館に着くと「 20 年目のロックンロール」と大きく書かれた垂れ幕がついていました。
武道館についてびっくりしたのは矢沢永吉さんのコスプレをしている人が大勢いたことでした。
そしてその方々がとてもすらっとしていて矢沢永吉さんの若いときにそっくりでした。
コワモテの親衛隊のような方々もいて、僕は会場の外で小さく固まっていました。
モックン先輩は同じ田舎の 2 人の友達を見つけると僕を紹介してくれました。
モックン先輩だけでなくてその友達も細身で身長が高くカッコいい方達でした。
会場に入る前にちょっと高いなと思いましたが、モックン先輩が絶対必要と言うので 5,000 円のバスタオルを買いました。
モックン先輩は「ビーチタオルね、それ」と言っていました。
武道館の中でしびれさせられる
コンサート会場がオープンしました。
モックン先輩とその友達についていき僕も入場しました。
コンサートも初体験、武道館も初体験、生の矢沢永吉も初体験です。
「永ちゃん、永ちゃん、永ちゃん、永ちゃん、永ちゃん、永ちゃん…」
モックン先輩とその友達は「永ちゃんコール」をずっと繰り返しています。
「ぶうちゃんもやんなきゃダメだよ」モックン先輩にそう言われてメンバーに加えられた僕も、「永ちゃんコール」を大声で繰り返しました。
周りのファンの方もあきれて笑ってしまうくらい僕たちは「永ちゃん」を連呼しました。
30 分位経ったでしょうか。
僕は声が枯れてきてぐったりしてきました。
するとようやく、コンサートが始まりました。
「お前らサイコーだよ」
永ちゃんの第一声は「お前らカッコいいぜ」でした。
ファンのみんなの歓声が応えていました。
「お前らほんと、全員、サイコーだよ」そう言って永ちゃんは歌い始めました。
僕は一生懸命に覚えた歌を一緒に歌いながら、矢沢永吉という人はこんなにファンを大事にする人なんだと感動していました。
だから、こんなに大勢の人が集まってくるんだ。
本当に矢沢永吉は格好いい人だと思いました。
タオル投げ、サイコーでした
「止まらない Ha – Ha 」の曲が流れるとみんながタオルを上に投げ出しました。
「のってくれ」の後の「 Ha – Ha 」に合わせて上に思い切りタオルを投げます。
続けて「 ROCK ' N ' ROLL NIGHT 」の後の「 Ha – Ha 」に合わせてまた上にタオルを投げます。
タオルを投げるのがこんなに楽しかったのは生まれて初めてでした。
「ルイジアナ」の曲になるとタオル投げはもっと盛り上がりました。
「ルイジアナ」(投げる!) 「テネシー」(投げる!) 「シカゴ」(投げる!)と大忙しです。
僕のタオルはタイミングがちょっとズレていたかもしれません。
とにかく「ルイジアナ、ズドーン(花火の音)」がとても最高でした。
その日の帰り、僕の頭の中にはずっと「ルイジアナ」の曲がかかったままでした。
モックン先輩はいつものように交差点で、ロンダート・バク転・バク宙をやってのけました。
その姿がいつもよりも楽しそうに見えました。
「銀座の寿司屋の物語」はまだまだ続きます。
ではでは。
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